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​テキスタイルデザイン

賦色の縁結び

森 葵衣  Mori Aoi

不織布を使用してウエディングドレス型のランプシェードを制作しました。

 

制作に至るきっかけとしては、入学時から現在に至るまで新型コロナウイルスと共存する社会で「不織布マスク」という存在が当たり前になった今だからこそ「不織布を素材として活用すること」は強い意味を持つと考えたからです。

 

またタイトルの賦色の縁結びの賦色には色をつける・彩色の意を持ち、縁結びには男女の関係以外にも家族や友人、仕事や人との出会い等、あらゆる状況や事柄の良縁を祈願するというニュアンスがあります。これらを踏まえて春夏秋冬の花をテーマにしたウエディングドレス型のランプシェードにすることで、明るく終わることのない四季の巡りのような幾久しい幸せを感じてほしいという願いを込めてコンセプトとしました。

 

皆様の行く先が、どうか明るくあたたかな光で照らされていることを。

皆様の行く先が、彩り豊かな人生であることを。

皆様の行く先が、終わることのない四季の巡りのように幾久しい幸せが続くことを。

Tシャツヤーンを使った子ども用チェア

山口 若菜  Yamaguchi Wakana

Tシャツから作られる糸をTシャツヤーンという。綿が含まれるTシャツやカットソーを細く切り、引っ張ると糸の端が丸まり、糸になる。

 

色あせてしまった服も、何度も着て洗濯を繰り返すことでヨレヨレになった服も糸になることであせた色は個性になり、頼りない服も頑丈な素材に生まれ変わる。穴が開いていても、シミがあっても、糸にすることで目立たなくなる。そして糸は編むことで布になり、また新しいものとして使われていく。

 

Tシャツヤーンは太く、糸自体が伸びやすい。編むとずっしりと重く、硬い布地になる。これらの特徴を生かした作品として、対象年齢を2歳から4歳に設定し、座ると座面がハンモックのように沈む子供用チェアを制作した。

座面のカバーはフックに引っ掛けることでハンモックのようになり、背もたれ部分のカバーはゴムをつけて、かぶせるだけで装着できるようにした。それぞれカバーは洗いやすくするために、簡単に取り外しができるよう工夫した。

また、糸そのものの色や質感と「編む」ことによってでる柄や模様を楽しんでもらうため、シェブロン編み、モチーフ編み、ワッフル編みでそれぞれ3種類の椅子カバーを制作した。

 

作品に使用したTシャツは要らなくなったものを譲っていただいた。子ども用のものから大人サイズのものまで約30着が集まった。

元の形は無くなってしまったが、新しく生まれ変わったTシャツの姿も楽しんでもらえると嬉しい。

きょう との対話

山邊 美織  Yamabe Miori

眠りから覚め、起き上がり、洗面台へ、

 

 鏡 に映った自分の顔を見る。

 

寝癖、目の開き、眉の上がり下がり、

 

 今日 はどんな具合だろうか。


 

月曜日も、旅行の日も、一限のある日も、たっぷり寝た日も、

 

起きないことにはその一日は始まらない。

 

目覚めの気分がどうだって、ひとまず起き上がろう、

 

『 きょう の自分と向かい合おう。』


 

大抵の日が起きることが億劫で、私は気の乗らない目覚めを迎える。

それでも 起き上がり、鏡に映った自分自身と対峙する。

この誰にでもあり、私にとって重要な日常のワンシーンを

刺繡と鏡によって記録、表現した作品群です。

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